浅漬け、一夜干し

今月最後の休み。本当はもっとさわやかな朝がよかったのだけれど、ゆうべの深酒がたたって頭痛と胸焼けのあわせ技でくらくらしていた。いつぶりの二日酔いだろう。タクシーの領収書。携帯の着信履歴。緊張感がなかったわけではないけれど、どこかで緩んで調子にのって、楽しくて優しい気持ちにになって、最後どこかでつぶれてしまったんだと思う。いずれにしても今朝起きたときはゆうべのことがまったく思い出せなかった。もう少しさわやかに目が覚めたらそれはそれで素敵な土曜だったと思うけれど、これはこれで泥のような朝だけれど、悪くないなと感じた。何が悪くないのかは自分でもさっぱりだけれど。今日は休みなんだと感じられた。

昼、近所でパスタ。部屋で映画を二本。夜、自由が丘の洒落た居酒屋で晩酌。帰宅してもう一杯。最近引っ越したのだけれど、ベランダが広く、のんびりと煙草が吸えるので結構気にいっている。決して美しい景色ではないけれど、大きな鉄塔が地平線に向かって立ち並んでいて、かなり遠くの空まで見える。俺は見たことがないけれど、夕暮れ時にオレンジに染まることがあってそれが一番きれいだと嫁が言っていた。

なんでもそうだけれど、適当なところで納得して満足して幸せなふりをすることが最近多くて、特に休みの日がそうで、悪くないってのを念仏みたいに唱えることがある。このまえ田舎から父親が仕事で上京してきたときに、なにをそんなに悩む必要があるんだと言われたけれど、何も答えられなかった。悩んでいるふり、考えているふりなのか自分でもよくわからないけれど。実はここのところ、まったくのノーアイディアで本当にからっぽで、どうしようかと。ノーアイディアー。