10/29

そのまま近くのスタバでコーヒーと思ったらまだ朝早くて店が開いてなかった。携帯の電池が切れていたのと、時計を持っていなかったのであと何分待てばいいのかさっぱりわからなかったので、松涛にある朝までやっているバーなのかカフェなのか何屋なのかわからない洒落た店でコーヒー。多分思ったより寝てなかったんだろうな、すげえ眠いやとぼうっとしてたら店の女性がサービスでジンジャーティーをサーブしてくれた。俺は毎日渋谷にある会社で働いていて、渋谷にある飲み屋で週末呑んで、渋谷にある本屋やレコード屋や植物屋や服屋や靴屋に行くのが好きで、東京の外にいる時間も多いけれど、それ以外の時間はほとんどの時間をこの街で過ごしている。いい街だといままで思ったことがなかったけれど、今思えば、今気づいたけれど多分すごい好きなんだと思います、と言ったら、皆意外と知らないんですよねとジンジャーティーの女性が笑った。結構ニューヨークですよとカウンターの若い髭面もはにかんでいた。結構ニューヨークね。ワハハ。悪くない。

昼、家で仕事。夜、近所に新しくできた鳥屋で晩酌。新しい仕事の話とか、最近太ったとか、そういう話をした。

10/28 金曜

珍しく早い時間に仕事がおわったので渋谷を散歩。ぶらついたのだけれど、ただ歩き疲れただけで何もなかった。本屋やレコ屋や電気屋靴屋、服屋、鞄屋、植物屋。1時間半、ぶらついて終ってしまった。どこへ行ってもなんとなく面白くない。ほしいものみたいものやりたいことが多すぎるのか、何もないのか。最近何事も散漫でよろしくねえなあ、とぼやきたくていつもの店に行ったらめずらしく満席だった。大宴会。知らない人と知らない人の間に無理やり座らせてもらい、ビールを何杯か。素敵なお名前ですねと隣の女性に言われ気をよくして、大酒。店で朝まで爆睡。起きたら店主と二人、店で雑魚寝していた。いつもの楽しい夜と馬鹿な朝だった。でも夕方の散歩と一緒で足りない。たくさん笑ったのに薄く浅く腹の中に退屈感が残っている。ハッピーとかラッキーとか、そういうのはどこだって何をしていたって俺の中には常に満ち溢れているんだけど、そうじゃない。冷えたビールか、黒いコーヒーが飲みたいと思った。歯も磨かず寝たので口の中が汚れているのがよくわかった。体がヤニ臭かった。座布団一枚で寝ていたので関節が痛かった。

何もかも全て、緊張感がないからだ。足りないと思っていたのは、本や音楽や服や靴や花やお酒や美女じゃなかった。緊張感だ。全部なあなあだ。それだ。それじゃいけないと、朝思った。