いつだったか職場の女の子とその友達連中と遊んだのだけど、その中の一人が手作りのチョコレートを送ってきてくれた。もちろん俺だけがもらったわけではないけれど、一人一人にちゃんと手紙が添えてあって、一緒に遊んだ日に撮った写真も何枚か入っていた。手紙の宛名は『ガク(C)』だった。ガクちゃんて読むんだろうな、これ。最近は冷やかし半分で“ガックン”と俺のことを呼ぶ人たちはいても、古い仲間や前から付き合いのあるやつらを除けば名前で呼ばれることも少なくなった。俺のことをガクちゃんと呼ぶ二十歳の女の子たち。何年かぶりに撮ったプリクラ、腕を噛み付かれて楽しそうな俺、変な顔、写真に写った俺の楽しそうな顔ったら。