10/9 日曜

起きたら家主以外誰もいなかった。皆、意外とドライなのね。昼、経堂の街を独り散歩。雨か何かわからないような水が降っていて、雨宿りがてらお茶でも飲もうかと入ったパスタ屋が最高に“いい感じ”だった。小汚くてでもかっこよくて、結構いい音がするスピーカーからラジオが流れていて、雨が入ってきそうなくらい入り口が広く開けられていた。種類がたくさんあってどれを頼んでいいのかわからなかったので、正直においしい塩味のパスタが食べたいと小太りのおばさんに言ったら、若い人は面倒だねえと笑顔で苦笑いされた。その笑った顔や台詞がジブリの映画みたいだと思って俺もニヤニヤ笑った。雨が降っていて、ラジオが流れていて、おばさんが小太りでイカしていて。その時点でその日は十分だったのだけれど、奥にいたおじさんがとてもおいしいキノコのパスタ(シロフンギって言ってたかな)を作ってくれ、すこぶる幸せな気分になった。おじさんが小難しい顔をしてノートをつけていたので秘伝のレシピでもつけているのかと覗きこんだら、ナンクロだった。犬の顔の。 夕方六本木を散歩。自転車屋と、本屋と、珈琲屋。六本木の外れで軽食。家に帰る頃もまだ雨が降り続けていて、鞄のポケットに入れておいた文庫が情けない感じに濡れてしまった。夜、ビール。