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前日は仕事を休んだ。それでも疲れが取れなかったのでこの日も午前休。朝、豆乳。少し興味があって勉強している建築の雑誌を読みながら座って電車通勤。電車に揺られヤカンのことを考えた。半蔵門線の電車が青山一丁目から表参道の間を走っているときに、このへんの街だったらイカしたヤカン屋や土瓶屋があるのかなとか、思い5分くらい呆け、渋谷下車。いつも出る109前の出口から渋谷に。出口正面にある109の入り口にある鏡に写った顔は、サラリーマンらしくない髭面。太ったな。ヤカンほしいなあ、とか。色気がないな。いつもだけれど。それとも。
昼、円山でランチ。カレーライス。出社。マスクをしながら仕事。ずっとヘラヘラしてるけど、結構いい仕事してんだぜ、自信持てよ。夕方あたりは頭の中に5人くらいのピリッとした自分が説教たれるもんだからなんだかぐらぐらしていた。あんまりないんだけどな。病み上がりだからか、思春期てことはないわな。散漫。なんだか、散漫だ。
夜、遅くまで仕事。終電逃したのでいつもの店でビール。広告業の社長とかいう酔った若い男のひとに絡まれ少し説教され、最後の方はガックンだからガチャピンだなとよくわからない呼び方で呼ばれた。ガとンしか合ってないぜ、社長。でも、楽しかった。
深夜、別の場所で飲んでいた友達と合流して渋谷の洒落たカフェバーみたいなところでビール。ビール。何を話したかあんまり憶えてないけれど、何かを話す前に相手が寝てしまったのは憶えている。少し浮かれて浮かれすぎて、そのまま担いで持って帰ろうかと考えもなしに体が動きそうになったけれど、笛が鳴った。マスターが大きな口笛を鳴らしてくれ、寝ていた相手も起きた。
夜更けにラーメン。たくさん笑って、頭の中でいろんなことがぐるぐる回った夜だった。これからのこととか、仕事のこととか、朝読んだ雑誌のこととか、飲んだ豆乳のこと、若い酔った社長が言った言葉、目の前で笑っている人のこと、ヤカンのこと。頭だけがどこか別のところでぐるぐる回っている感じだった。いろんなことが回っていただけで、酔っていて全て他人事のようで何ひとつ向き合って考えようとしなかった。らしくないと少し思った。最後に何を考えて何を話したか憶えていないけれど、いつのまにか寝ていた。いつもの週末だけれど、らしくないところもたくさんあった。爆睡。渋谷泊。何か聴きながら寝たかった。